どーも、汎猫です。カウボーイビバップでジャズに興味を持たれた方って以外と多いと思います。だけど、ジャズってなんだか難しい、ってイメージが先行しすぎてるような気がするのでここで私が簡単に説明しておこうと思います。ジャズマニアな方が見たら、首をかしげるような事、書いてるかもしれませんが、とりあえず全くジャズに関して知らない人のための説明なので、ジャズヲタな方は読み飛ばしてください(笑)

まず、ジャズを大きく分けると2つに分かれます。ビッグバンドジャズ、コンボジャズの2つです。

カウボーイビバップの「Tank!」や「Rush」はどちらかと言うとビッグバンドジャズに近いです。トランペット(フリューゲルホルンなどにも持ち替えます)が3〜5人、サックス(フルートなどにも持ち替えます)が3〜6人、トロンボーン(バストロンボーンなどもいます)が3〜5人程度、ピアノ、ウッドベース、ドラム、場合によってはギターやパーカッションなども加わる事があります。私はビッグバンドをやったことが無いので詳しくは解りませんが、だいたいこんな感じです。とにかくド派手です。人数が多いですし、音量もでます。ちなみに、「Tank!」はジャズというよりはブラスロックに近いです。ドラムはジャズ風の4ビートを刻んでいますが、フレーズとパーカッションが8ビートと、非常におもしろいです。さすが菅野さん(笑)。「Rush」のほうが普通のビッグバンドに近いです。

また、カウボーイビバップの、「N.Y.Rush」や「Clutch」はコンボジャズに分類されます。フロントと呼ばれる、トランペットやサックスやトロンボーンの人たち(1〜4人)とピアノ、ギター、ウッドベース、ドラムなどのリズム隊で構成され、比較的少人数(2人だとデュオ、3人だとトリオ、4人だとカルテット、5人だとクインテット、6人だとセクステッド)でやります。一般的にジャズというとこちらを想像する方が多いでしょう。

前述したとおり、ビッグバンドに関しては私は詳しくないので、コンボジャズについて説明していきます。ここで取り上げるCDたちも殆どがコンボジャズです。 まず、ジャズの歴史について簡単に説明しておきます。 スウィング→ビバップ→ハードバップ→モード→フリー→クロスオーヴァー→フュージョンとジャズは進化していきました。ここで取り上げるCDはビバップからフリーまでの間のCDが殆どです。

んで、コンボジャズを聴いていても何をやっているか解らない、って人のために、簡単に説明をしておきます。ジャズ(ここ以降のジャズってのはコンボジャズを指します)ってのは、一応、譜面があります。コードとメロディー(メロディーの事をテーマと呼びます)の書かれた譜面です。基本的にプレイヤー全員がそれを見ながら演奏します。まず最初に、その譜面に書かれたテーマを吹いたり弾いたりします。ただ、譜面どおりには演奏せず、多少フェイクして(崩して)演奏します。テーマを吹き終わると、また譜面の頭に戻って、今度はコード進行に従ってアドリブを開始します。1枚の譜面を1コーラスと呼び、アドリブは数コーラス吹きます。演奏者はどの辺でどのようにフレーズを盛り上げていくか、コード進行などを見て考えながら必死に演奏します。もう、アドリブはこのへんでいいや、となると、次の人に目線などで合図を送って次の人にアドリブが移っていきます。一番基本的なアドリブの回し方は、フロント→ピアノもしくはギター→ベース→ドラム(無いことが多い)といった感じで、全員のアドリブが終わるとまたテーマを吹いて終了となります。これが一番の基本的なジャズのやり方です。一般的なジャムセッションだとこういった形で行われます。
しかし、たいていのCDはテーマの前にイントロが入ったり、最後のテーマの後にエンディングが入ったり、アドリブの回して行き方も変則的だったりします。しかし、一番の基本さえ知っておけばちゃんと聞けると思います。

ここで取り上げるCDの殆どが、ビバップ、ハードバップ、モード、フリー、のどれかに属します。ここから先の文章は結構音楽理論を知っていないと苦しくなるかもしれません。ビバップというのが、一般的に思い浮かべるジャズです。そのビバップのコード進行をより複雑化して(リハーモナイズと呼びます)いったのがハードバップです。しかし、コードの束縛のせいで自由にアドリブができない、といった不満が生まれてきて、モードというものが発生しました。モードは元々は、教会旋法というもので、1つの中心音だけ決めてあとはそれに乗るスケールを指定するだけというものです。とにかくコードの束縛が無いのでより自由にアドリブがとれるようになったわけです。さらに基本的に3度でコードを重ねて行くハードバップやビバップと違い、モードは4度でコードを積み上げていきます。そのことによって独特の浮揚感がうまれ、常に落ち着きのない、どこかへ常に進み続けていくという感覚が生まれます。ちなみに汎猫は、ジャズの中でもモードが一番好きです。その後、スケールというものすら束縛と感じるようになった人たちが始めたのがフリージャズです。コードも、中心音もありません。テーマを吹いたら、その後はひたすら吹きたいフレーズを吹きまくる、それがフリーです。初めて聴いた人は滅茶苦茶やってるだけじゃん、という感想を持たれるとおもいます。私もそう感じることが多いです(笑)。でもすばらしいフリーの演奏もあります。

あと、ジャズ独特のモノとして、ツーファイブと呼ばれるコード進行があります。
IIm7→V7→Imaj7というコード進行で、記号で無くて文字で表記すると、サブドミナント→→ドミナント→トニック、といういわゆるドミナントモーションというものがやたらでてきます。トニックはでてこずに、ひたすらIIm7→V7という場合の方が多いです。ジャズの曲中のコード進行の半分くらい、曲によっては全部ツーファイブだけで構成されている事があります。これがジャズ独特のサウンドを生み出しています。
また、ジャズに使用されるキーはb(フラット)系の曲が多いです。フラット0〜4の曲が大半です。1〜3個のものが8割以上を占めるでしょう。#(シャープ)系の曲は希で#系の曲は1〜2個のモノが殆どです。なぜそうなっているかというと、フロントの楽器(トランペットやサックス)がb(フラット)で書かれた曲が演奏しやすいように作られているからです。ギターやベースは#(シャープ)系の曲が演奏しやすいように作られているので、開放弦が使えないことが多く、苦労を強いられます(笑)。
しかし、ジャズの曲はリーハーモナイズのしすぎで2小節おきにキーが変わったりするのであまり楽器の得意なキーがどうだとか、関係ないです。心です。大事なのは(^^;;;
モードになると、上の段落の事はあまり気にしなくて済むようになります。大事なのはスケールと中心音だけなので。モードの曲はかっこいいのが多いです。曲の中のキメがあったりして、鳥肌モンです。カウボーイビバップの「Clutch」はモードの曲です。この曲はもう、キメキメですね。アドリブの最中にもキメがでてきますし。演奏の難易度は超高いでしょう。しかもトランペットでやってますし。トランペットなどの倍音楽器は4度のフレーズが吹きにくいのでモードをやるには相当の訓練が必要なような気がします。私はサックスなのでよくわかりませんが(汗

とまあ、ジャズについての簡単な説明でした。自分がジャズをやり始めると、ジャズの聴き方も変わってきますよ。また、ジャズを聴いたり、演奏したりすると、ほかのジャンルの音楽を聴いたり演奏するのに非常に役に立ちます。きっとあなたの音楽ライフに絶大なる影響をあたえることかと思います。

ジャズ、最高です。菅野よう子も最高です(笑)



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